平成29年12月5日 十勝薬剤師研修会報告

研修内容

「抗菌薬適正使用〜厚生労働省抗微生物薬適正使用の手引きの理解に向けて〜」 第2回

講師:帯広協会病院薬剤科 篠田 雅和 先生
参加人数: 66名[うち薬局 42名、病院 24名]
主催 十勝病院薬剤師会
共催 北海道薬剤師会十勝支部
大雪のあとの非常に足元の悪い中、たくさんのご参加ありがとうございました。
第2回では、「風邪」はウイルス感染症であり抗菌薬は不要である、これを患者さんに対して薬剤師が不安を煽ることなく伝えられること、さらには医療従事者から抗菌薬の問い合わせを受けた際にも適切な情報提供ができることがゴールの設定となりました。

最初にまず、感染症診療の原則と、臨床上重要な菌についての基本を学習。
その後、適正使用の観点で大きな課題が指摘されている経口第三世代セフェムを取り上げ、問題点を整理しました。
さらにはペニシリン系と第一世代セフェムの内服薬を活用すべき場面はどこか、活用するための用法用量にはどんな注意点があるかを押さえました。

後半では、いよいよ今回の研修会の目標である「抗微生物薬適正使用の手引き」の内容について解説。
気道感染症はどのように仕分けられるのか、「風邪」を疑った場合に抗菌薬が不要かどうか、受診を勧めなくてよいかどうか、薬剤師が見るべきポイントが順に説明されました。

是非今後手に取ってほしい参考書の紹介を最後に、このたびの研修会は終了となりました。
質疑の時間には、尿路感染症や周術期予防投与における抗菌薬適正使用についても議論が及びました。

抗菌薬適正使用の働きかけは「疑義照会」の形では難しいものの、別の形での医師と薬剤師の意見交換の場であったり、患者から薬剤師への相談の場であったりで薬剤師ができることがまだたくさんあることを確認した研修会となりました。

     【講義資料】抗菌薬適正使用 第2回 十勝薬剤師研修会


【アンケートまとめ】 抗菌薬適正使用 第1回 十勝薬剤師研修会

11月7日分のアンケート結果を下に示しますが、総じてとてもわかりやすく、業務に役立つ内容だったと高い評価がありました。
第1回ではAMR対策が必要な理由について十分に時間をとっていただくよう企画側から要望したことで、「もっと具体的な話が聞きたかった」という感想もみられましたが、これについて第2回で応える構成となっています。
普段の抗菌薬処方についても、たくさんの疑問が寄せられました。用量や種類が妥当かどうかという疑問が幾つかありましたが、今後も知識を積み重ねることで多くは解消できそうに思われます。また少しずつ不適切処方の減少を感じる回答もあり、一部の医師の変化がわかります。
一方で、日常業務での介入の難しさを伝える声も複数ありました。これについては第2回の研修会でも話されています。
メーカーの後援を入れない形式での今回の開催にも評価の声があったほか、今後も同様の開催を挟んでいく要望がありました。


回答 45/出席 94

【(1) 今回の講演へのご質問・ご感想・ご意見】

海外の投与量の話など参考になった。
日常的に使われている薬剤だけに、薬剤師として抗生剤に慣れてしまって、薬剤師としての適正使用に対する感度、危機管理意識が薄れていたのかもしれないと気付かされました。
きちんと復習して勉強します。
気になっていたことだったので大変役立った
大変為になりました。次回にも期待し楽しみにしています。
メーカーの宣伝が無いのは新鮮で良かったです。
添付文書用量と現行推奨が異なるなど、処方をみる上での良い知見となりました。
AMRの概要説明(冒頭部分)が他の部分よりやや長めだった様な気がしました。
投薬窓口における重要性、大変勉強になりました。
非常にまとまっていて聞きやすかったです。より具体的な内容について聞きたくなりました。
大変わかりやすく、勉強になりました。ありがとうございました。
抗菌薬の使い分けに関しての知識が得られた。
具体的な話を言われた方がもっとわかりやすかったかもしれません。
大変わかりやすく、ためになった。
とても参考になりました。ありがとうございました。
普段の業務に役立つ内容だった。ありがとうございました。
使用法や疑義照会すべき具体例など例題等の提示がわかりやすく良かったです。
たいへん勉強になりました。
当直の問合せで最も苦手なのが抗菌薬です。自信を持って説得できる薬剤師になりたいです。今回の講演を聞いて、少し自信がつきました。ほんの少しだけれど。
メーカーが関与しない勉強会はありがたい。ぜひ今後もお願いしたい。
耐性かの問題とそれに対しどのような取り組みが必要かが理解できた。
幅広く多岐にわたる内容で、大変興味深く聞くことができました。
とても参考になりました。
AMR対策についての具体的な動向、最新のデータ等が学べたのでとても良かったです。
たいへん分かりやすい講演、ありがとうございました。
抗菌薬の適正使用についてとてもよくわかりました。
メーカーが講演しない勉強会の実施によって密度の高い情報交換の場が設けられたと感じられた。
非常にわかりやすい説明でした。もう一度復習し、普段の業務に役立てたいと思います。
すばらしい勉強会でためになりました。利益相反がないことは大切だと思います。
薬剤の適正使用の重大さがよくわかった。
とても分かりやすく、知らない事を知れました。

【(2) ふだんの抗菌薬の使い方に関して感じられることをお書きください】

風邪、その他いろいろなケースで抗菌薬の処方が多い。
ちょっとした風邪症状に対する処方、また「熱が出たら飲んで」など、「本当に抗生剤の処方が必要なのだろうか」と考えることはよくあります。処方権は医師にあるので、どこまで薬剤師として関わるべきか悩みます。
本日の演題のように現場、実務で役立つ内容はとても勉強になり明日からの業務に活かせます。
十勝は遠距離の通院となり、老人の冬道通院が大変ということもあり、日数が長めの処方。予備として処方してしまうことも多いのが現実としてあります。
外用の抗菌薬の是非が分からない。
風邪に対してと、原因菌不明の使用例が多い。
不溶な場合にできるだけ減らす、必要なとききちんと使う、というメリハリが必要だろう。
抗菌薬の使い過ぎを普段より感じている。
長年臨床にいる医師の抗生剤不適切使用に関してのアプローチの難しさ。
風邪など不必要な処方が多く感じています。
ガイドライン等で推奨される用量と添付文書の記載が異なり処方鑑査実施において悩むことがある。
疾患と重症度によって使う抗菌薬を医師はある程度はじめから決めている感がある。
調剤薬局だと抗生剤の適正使用について疑義照会がしづらいと感じることがあります。
医師によって好みがある。用量も。
施設において漫然と抗菌薬が使用(定期薬として)されていること。原因が分からないという理由で安易に抗菌薬が使われている現状に疑問をもっていた。(施設看護師からの情報がメイン)しかし、現場の状態や本人の状態がみれないことが多く、この件へ踏み込めない現状がある。
風邪は漢方だろうと思います。
クラリスロマイシンの相互作用が臨床的にどこまで影響するか気になる。
高齢の医師に抗菌薬適正使用をわかってもらうのが難しい(がんこな医師に対して)
簡易な術後(処置)で使われる予防的な抗菌薬の投与に疑問がある。どのくらい効果があるか。
通常の使用量はかなり少なくなってきた。
風邪で抗菌薬を処方される医師が多く、啓発が必要だと思う。
少ない量(ガイドラインや添付文書よりも)で処方がくると、「そういう論文がでているのでは」と自信がなくなります。医師を説得できるようになりたい!
本当に必要な抗菌薬の処方なのか疑問に思うことがある。
医師のPK/PDに対する理解が不十分。過少用量での処方が多い。
10年前と比べると、風邪に抗菌薬を使う医師の数は減ったように感じます。
病院や薬局で風邪などで不要と思われる抗菌薬が処方された際に、医師への提案の仕方など、具体的に薬剤師ができることを知りたい。
透析患者や腎機能が悪い患者に対する抗菌薬の使用方法について迷うことが多い。
原因菌ではなく、医師が使いやすさを重視して抗菌薬を選択していることをたまに見かけるので問題かなと感じています。
予防のための抗菌薬投与は慎むべきだが、抵抗力の低い高齢者や乳幼児の再受診の契約を定式化するためのフォローが必要と思う。
フロモックスの吸収率の低さを考えると、歯科などでよく用いられたり、低用量の使用による耐性化についてもっと介入したいが、どのような疑義照会を行うか、計画したい。
ケフレックスの適正使用を推進するべきだが、用法が1日3回で処方されるケースが多く、耐性菌等の防止のため疑義照会したい。
ニューキノロン系がよく使われている印象がある。
患者が希望したわけでなくても、「かぜ」と診断したらメイアクトを必ず処方する医師がいる。患者自身が「抗生剤必要なの?」と不安がるが、処方された以上、風邪に効かないとは言えない現状。

【(3) 十勝薬剤師研修会に関して、ご要望やご質問をどうぞ】

とても大変でしょうけれど、メーカーの入らない勉強会をまた時々開催してください。
今回のような実務で役立つ研修会を今後もよろしくお願いします。
メーカーさん無し、良いと思います。
今回のように、専門の資格を持っている人の講演を増やしてほしい。
帯広近郊であれば参加しやすいだろうが、遠方からの参加が大変(仕事を早めに切り上げて来なくてはならない)なため、スカイプ等で師長できるようなシステムの構築をお願いしたい。
今回の例のようにいろんな薬剤師が研修会を企画すると良いと思います。
薬局の消毒薬ガイドラインなどあるといいですね(擦式消毒薬を置いていない薬局もある)
広い内容がいいと思います。
勉強会の曜日はなるべくばらけてほしいです。
メーカーの入らない研修会は講師の手配など大変かと思いますが、今後その方向になっていくことが良いと思います。
感染症、抗菌薬についての講演会を増やしてほしい。


【アンケートまとめ】 抗菌薬適正使用 第2回 十勝薬剤師研修会

12月5日分の結果を下に示します。
様々な参加者がいる中で事前の難易度設定は難しかったのですが、アンケートからは妥当なものにできたと思われます。質疑の内容をもう少し膨らませてほしいという感想もみられます。今回の質疑時間は10分程度でした。
前回研修会の後に実際に「手引き」を読んだ参加者がみられたほか、全ての参加者が「手引き」に興味をもつようになったことで今回の2回シリーズの研修会は一定の成果が得られました。
前回・今回のアンケートで得られた十勝薬剤師研修会への要望は今後に活かしていくことができます。


回答 38/出席 66

【(1) 今回の講演へのご質問・ご感想・ご意見】

メーカー入らない点で薬物の比較が明確かもしれない
Sanfordの資料など必要ではないかと考えた。
良かった
参考になりました。ありがとうございました。
前回の研修会に引き続き、たいへん勉強になりました。
経口抗菌薬としてレボフロキサシンの処方が多すぎるのではないか、と感じた。
大変勉強になりました。GASに対してアモキシシリンは1000mg1×(IDSA推奨)でいいのでしょうか? 1×でよいのかが気になりました。
勉強になりました。
前置きが無駄に長い。本当に必要なことだけを教えてほしい。講師のこだわり、独自の考えは要らなかった。
身近な風邪に対する抗菌薬の使い方について知れて参考になりました。
明日から使える内容でわかりやすかったです。無駄に時間いっぱいまでやらないのがいいです。
30分×2、または45分×2と2つに分けた方が集中して聞けて、質疑もできそうに思います。
岸田先生が道薬で講義しているのは初めて知りました。
参考となる話をきけました。DU薬や核薬剤のMICと血中濃度の違いが分かりやすかったです。
とても勉強になりました。ありがとうございました。
経口第三セフェムの問題点を中心にとても分かりやすかったです。
基礎的な部分から詳しい部分まで、とてもわかりやすかったです。
Empilictherapyとde-escalation、理解できました。
外来での身近なテーマについてわかり易かったので良かった。サンフォードの参考用量もためになった。

【(2) 感染症や抗菌薬に関して、今後の研修会で取り上げてほしい内容は?】

移行性や特長について等
泌尿器由来
外来での実際の投与とその意味合いについて(内科以外の外科、皮膚科、眼科、歯科など)
自然耐性、耐性菌について
MRSAのTDM
様々な領域の研修を。年1回くらいは道内外の著名な医師の話も聞いてみたい。岸田先生や、DUの忽那先生とか。 抗菌薬とその副作用
外来でよくある抗菌薬の使用例をあげて説明しながら進行していく
投与量など
抗菌薬の副作用評価(アレルギー、CDI、腎障害、肝障害など)

【(3) その他、十勝薬剤師研修会に関してのご要望やご質問をどうぞ】

ハンドアウトがあるのはありがたい
ケモ、緩和ケア
感染症関連の研修会を定期的に開催してほしい。内容がかぶってもいいと思います。
知識の底上げを。
質疑がもう少し盛り上がるようになればいい。
このスタイルの勉強会なら参加したい。

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